占い師に一番必要なものは何か、と聞かれたら、私は人格だと答えると思います。技術も知識も大切ですが、それを使うのは人です。どれだけ正確に読めても、伝える人の在り方が整っていなければ、相談に来た方の役には立ちません。
ただ、人格は「人格が大事だ」と言うことでは示せません。
この記事では、人格がどこに出ると私が考えているのか、そして鑑定師として自分に何を課しているのかを書きます。鑑定師を選ぶときの視点としても、読んでいただけると思います。
人格が大事だと言うことと、人格があることは別です
人格が大事だと言うのは、誰にでもできます。言っていること自体は正しいので、反論もしにくい。
ただ、人格が一番大事だと言いながら、自分と違う考えの人を見下す言葉で語っている。そういう発信を見かけることがあります。
例えば、SNSで強い言葉で発信している。実際にHPを見てみるとSNSでの発言と矛盾したことが書いてありました。
言っていることと、言い方が合っていない。そうなると、受け手側はどちらを信じればいいのか分からなくなります。
正しいことを言っていても、振る舞いが伴わなければ、その正しさまで疑わしく見えてしまう。私はそう感じています。正論ほど、誰がどう言うかで受け取られ方が変わるものです。
人格は、人をどう扱っているかに出ます
では、人格はどこに出るのか。私は、その人が他の人をどう扱っているかに出ると考えています。
自分と違う考えの人を、どう語っているか。相談に来た方の判断を、どう扱っているか。頼まれていない人のことを、どう扱っているか。こうしたところに、言葉よりもはっきりと、その人の在り方が出ます。
私自身が鑑定で引いている線も、ほとんどがこの扱い方の話です。鑑定は、お客様がご自身で判断するための材料をお渡しするもので、私が代わりに判断することはありません。人を恐怖で縛ることはしません。頼まれていない人のことを勝手に視ることもしません。人として道理に反したことをした時点で、鑑定師を名乗ることはできないと思っています。
鑑定師としての線引きについては、占い師として、どこに線を引くかにも書いています。
違う考えの人を、見下さない
世の中には、私とは違う考えで鑑定をしている人がたくさんいます。考え方が違えば、疑問を持つこともあります。私にも、純粋に疑問に思っていることはあります。
ただ、疑問を持つことと、相手を見下すことは別です。
その方の世界では、その方の考えが正解なのだと思います。私の世界では、それが全てではないという意見を持っている。それだけのことで、相手を下に置く理由にはなりません。違う考えの人を見下す言葉で語れば、それを聞いている人は、自分が違う考えを持ったときにも同じように扱われるのだろう、と受け取ります。
霊視への批判について私が考えていることは、なぜ霊視は批判されるのか|信じないことと否定することの違いに書きました。
人の前で否定されたことがあります
霊能を学んでいた場で、他の受講生の前で「霊感がない」と言われたことがあります。
そのとき私は反論せず、笑って流しました。相手は教える立場の人で、私はその言葉を、判断の基準ごと相手に預けてしまっていました。それでも、自分の感覚は否定されても消えませんでした。霊感に頼れないならと東洋占術を学び、鑑定を重ねて、今の形になっています。
この経験から持つようになったのは、言葉を受け取るときは、誰が言ったかではなく、何を根拠に言っているかで判断する、という考え方です。このときのことは、「霊感がない」と言われた私が、それでも霊視を続けた理由に書きました。
そしてもう一つ、立場が上の人の一言は、言われた側の中に長く残るということも知りました。言った側は覚えていないかもしれません。けれど、人の前で否定された記憶は、簡単には消えません。だから、鑑定する側に立った今、私は相手を否定する言い方を選ばないようにしています。
鑑定師の人格は、言葉の選び方に出ます
鑑定で伝える言葉は、相手の中に長く残ります。強い言葉ほど残りやすく、何年も経ってから思い出されることもあります。
だから鑑定師という仕事をする以上、人の感情の動きには、機微である必要があると思っています。同じことを伝えるのでも、どの言葉を選ぶかで、相手が受け取るものは変わります。断定しないほうがいいことは断定しない。推測は、推測のまま置いておく。言葉を選ぶというのは、相手をどう扱うかを選ぶことでもあります。
鑑定で言われた言葉が残ってしまったときのことは、鑑定で怖いことを言われたとき|私が最初に伝えている保留という一手に書いています。
鑑定師を選ぶときは、振る舞いを見てください
鑑定師を選ぶとき、その人が何を言っているかだけで判断するのは難しいと思います。人格が大事だ、本物だ、と言うことは誰にでもできるからです。
それよりも、振る舞いを見てください。他の人のことをどう語っているか。相談した方の判断を尊重しているか。恐怖や不安で縛っていないか。頼まれていないことにまで踏み込んでいないか。言っていることと、していることが合っているか。
人格は、自分で語るものではなく、相手が感じ取るものだと私は思っています。だから、言葉で人格を示そうとするより先に、振る舞いを整えておきたい。それが、鑑定師として私が自分に課していることです。

