天然石には、それぞれ「意味」や「効果」が当てはめられています。
富をもたらす、癒しを与える、厄を払う。どの店でも、どの記事でも、同じような説明を見かけます。
でも、本当にすべての石が同じ働きをするのでしょうか。
私はそうは思っていません。同じ種類の石でも、状態はまったく違うからです。
今回は、私が石を選ぶときに何を視ているかについて書きます。
拗ねている石が、あります
制作のために石を選んでいると、長い間使われずに、輝きを失っている石に出会うことがあります。
エネルギーが落ちている石は、私には発色が弱く、どこかくすんで見えます。
私はこれを、拗ねていると表現しています。
そういう石に、私はこう語りかけます。
「これから大切にしてくれる方のところに届くんだよ」
すると、その石が輝き始めることがあります。
花が開くように、輝いていく
輝き方について、もう少し具体的に書きます。
一瞬でパッと変わるのではありません。 徐々に、ぱぁーっと、花が開くように明るくなっていきます。
面白いのは、変化するのは光り方だけだということです。質感や動きが変わるわけではない。 石なので、当然といえば当然かもしれません。表現できるのが、光り方に限られている。
だからこそ、その光り方の変化が印象に残ります。
まるで「本当? じゃあ頑張る」と言っているように感じます。こうした場面を何度も見ていると、石にも、それぞれ活きる場所があるのだろうと思うようになりました。
中には、拗ね続ける石もいます
もちろん、語りかけても変わらない石もあります。頑固な石です。
そういうときは、この石が何を望んでいるのかを聞き出します。
すると「もっと大切にしてほしい」「ただ飾られるのは嫌だ」といった想いが伝わってくることがあります。その答えに寄り添うと、ようやく光り始める。
逆に、自己主張の強い石もいます。「私を選んで、私がいちばん合ってる」と積極的にアピールしてくるような石です。
そういう石は、最初から明るい。太陽の光を浴びているような輝き方をしています。
「聞き出す」とは、どういう感覚なのか
ここで、聞き出すという言い方について説明しておきます。
石が言葉を喋るわけではありません。ではどう受け取っているのか。これは説明が難しい部分です。
普段、私たちは文字を読むとき、目で認識してから理解します。 音を聞くときも、耳で認識してから理解する。 認識という段階が先にあって、その後に理解が来る。
私が受け取っているのは、その段階を経ないものです。
最初に来るのは「わかった」という感覚です。 目でも耳でもないところで、いきなり分かっている状態になる。
いわゆる第六感と呼ばれる部分なのかもしれません。
映像のこともあれば、音のこともある
では、その「わかった」は、どういう形で現れるのか。
受け取る形は、そのときによって違います。 映像として入ってくることもあれば、耳で聞いたときのように音で伝わることもある。
ただ、どちらも実際に見えたり聞こえたりしているわけではありません。
先に「わかった」があって、その後から言葉や映像に置き換えている。 心で受け取ったものを、翻訳しているのだと私は考えています。だから形が違って感じられるだけで、受け取っているものは同じなのかもしれません。
同じ種類でも、同じ石はありません
ここまで書いてきたことをまとめると、こうなります。
同じ種類の石でも、状態はまったく違います。
長く放置されていた石と、大切に扱われてきた石。同じ産地の同じ種類でも、視た印象は別物です。
だから私は、石を選ぶときに意味や一般的な効果を参考にしません。 見ているのは、その石が今どういう状態にあるかです。
石の状態と扱われ方の関係については、パワーストーンの効果を感じないのはなぜか|石と繋がるという話にも書いています。
いちばん大切なのは、相性です
そのうえで、私が最も重視しているのが相性です。
どんなに美しい石でも、その石の状態と、その方の状態が合わなければ意味がありません。
高価かどうかは関係ありません。人気があるかどうかも関係ない。今のその方に、今のその石が合うかどうかだけです。
だから、同じ目的で相談をいただいても、選ぶ石は人によってまったく違います。
石の選び方については、石が持ち主を決めるのは本当か|惹かれる感覚は信じていいのかに書きました。
石にも、状態があるというだけの話です
最後に、誤解のないように書いておきます。
石が意思を持って喋っている、と主張したいわけではありません。私にはそう感じられる、というだけの話です。
そんなことがあるのかと疑う気持ちも理解できます。私自身、これを証明する手立ては持っていません。
ただ、拗ねているように視えた石が、語りかけた後で輝き始める。 その変化は何度も見てきました。理由は分からなくても、起きていることは起きている。
手元にある石を一度眺めてみて、今どんな状態に見えるかを確かめてみるのも、悪くないと思います。

