「石が持ち主を決める」という言葉を、聞いたことがあると思います。
天然石の世界では、よく語られる言い方です。自分が選んだのではなく「石の方から選ばれた」という感覚。
先に、私の立場を書きます。
その感覚自体は、私にもあります。 ただし、惹かれたものが自分に合っているとは限りません。 むしろ、異常な惹かれ方をしたときは、警戒した方がいいと考えています。
今回は、そう考えるようになった経験について書きます。
正直に言えば、私も疑うことがあります
まず、率直なところから。
「石が持ち主を決める」、あるいは「石が持ち主を選ぶ」と言われますが、本当にそうなのだろうかと疑問に思うことがあります。
石の側に意思があって、人を選んでいる。そう言い切るには、私の中で確かめきれていない部分があります。
ただ、思い当たる感覚はあります。 それは「呼ばれた」というより、「魅せられた」という方が近いものです。
こちらが選んだというものではなくても、何か感覚的に焦がれるような感覚です。
専門店の戸棚から、強い気を感じた
具体的な体験を書きます。
以前、スピリチュアル系の商品を扱う専門店に、初めて入ったときのことです。岩塩やランプ、ヒーリングチューナーといった雑貨が並んでいて、石も数点置いてありました。
ひょんなことから店主と話が弾んで、長いこと雑談をしていました。
その最中に、ふと店内を見たとき、ある戸棚が気になりました。
外から見て、何か変わったところがあるわけではありません。ごく普通の戸棚です。それなのに、右下の引き戸の先にあるであろう何かに、異常なほど気を引かれました。
理由は、そこからとても強い気を感じたからです。
そして、無性に持って帰りたいという気持ちにさせられました。
中は確認していません。それでも、そこに何か霊的なものがあるという確信がありました。
失礼な話ではあるのですが、店主にその戸棚について尋ねてみました。すると、やはり天然石が置いてあるとのことでした。
ただ、それは売り物にしていないという話で、結局迎えることはありませんでした。それよりも「なぜわかったのか」と興味を持たれて、その話は終わりました。
この話には、続きがあります。
今になって思えば、あれは持ち帰らなくて正解でした。
当時の私は、今ほど感覚が育っていませんでした。わからないことも多かった。強く感じるものがあれば、それは良いものだと思っていた節があります。
けれど今なら、あれは良くないものの類だったと、感覚的にわかります。
当時はその判断ができませんでした。強い気を感じた、無性に欲しくなった。それだけで、良いものだと結びつけてしまっていた。
もし持ち帰っていたら、どうなっていたか。それは分かりません。ただ、迎えなかったという結果に、私は今、納得しています。
惹かれることと、合っていることは別です
この経験から、私が考えるようになったことがあります。
惹かれるからといって、それが全て良いものとは限りません。
そして、もう一歩踏み込んで言えば、異常な惹かれ方をしたときほど、私は警戒するようにしています。
普通の「いいな」という感覚と、目が離せなくなる、無性に欲しくなるという感覚は、質が違います。後者には、引っ張られている要素が混ざっていることがある。
天然石について書かれた記事の多くは、「直感を信じてください」と結びます。私もその考え方を否定しません。感覚は大事です。
ただ、強さと正しさは別だということは、書いておきたいと思っています。
そもそも、その感覚が天然石自体から発せられたものというよりも、その天然石を依代にしているものが魅せていたとも考えられます。
「周波数」や「波長」という言葉について
ここで、言葉の使い方を整理しておきます。
石と人の相性を説明するとき、「周波数が合う」「波長が合う」という言い方をよく使います。私も使うことがあります。
ただ、これはエネルギーというものを、わかりやすい言葉にしただけです。
科学的に検証したわけではありません。 実際に周波数を測定して一致を確認した、という話ではない。あくまで、波長という比喩です。
そのうえで、発するものとの相性というのは確かにあると私は感じています。霊的なエネルギーには、そういう性質が関係していると考えています。
言葉が科学的に見えるからといって、そこに科学的な裏づけがあるわけではありません。
では、どう選べばいいのか
ここまで読むと、何を基準にすればいいのか分からなくなるかもしれません。
私が確かめているのは、手に取ったときに落ち着くかどうかです。
「いいな」と思う。少し気持ちが上がる。そういう穏やかな感覚は、信じていいと思っています。
一方で、目が離せない、どうしても欲しい、理由もなく焦る。そういう感覚が出たときは、一度離れてみることをおすすめします。
本当に自分に合うものなら、離れても縁は切れません。 後から戻ってきたときに、まだ落ち着いて手に取れるなら、そのときに迎えればいい。
急がされている感覚があるときは、急がせている何かがあるということかもしれません。
意味で選ぶことと、感覚で選ぶことの違い
もう一つ、選び方について書いておきたいことがあります。
天然石を選ぶとき、金運や恋愛運といった意味から入る方は多いです。それも一つの方法で、否定はしません。
ただ、私が鑑定を通して感じてきたのは、感覚で選んだ石の方が馴染みやすいということです。
理由はこう考えています。意味で選ぶのは、過去に得た知識で選んでいるということです。対して感覚で選ぶのは、今の自分の状態が選んでいる。
どちらが今必要なものを指しているか、という違いです。
私自身、石を選ぶときに意味や一般的な効果は参考にしません。見ているのは、その石が今どういう状態にあるかと、相手に今何が必要かです。
だから、同じ「金運を上げたい」という目的でも、人によって選ぶ石はまったく違います。 目的が同じでも、今の状態が違うからです。
合う石は、変わります
そして、ここが見落とされやすいところです。
半年前に合っていた石が、今も合っているとは限りません。
自分の状態が変われば、必要なものも変わります。石との相性は、一度決まったら固定されるものではない。
だから、定期的に自分の感覚で確認し直すことをおすすめします。今、これを持って落ち着くか。それとも、少し違う感じがするか。
合わなくなったと感じたら、それは石が悪くなったのではなく、自分が変わったということです。感謝して手放してもいいし、しばらく休ませてもいい。
「この石をずっと持ち続けなければ」と思う必要はありません。
感覚は、あとから育ちます
最後に、いちばん伝えたいことを書きます。
あのとき判断できなかった自分を、私は責めていません。
感覚は、経験によって育ちます。当時は分からなかったことが、今なら分かる。それだけの話です。
だから、今この記事を読んで「自分には判断できない」と感じたとしても、それで構いません。確かめ続けているうちに、少しずつ精度が上がっていきます。
石との向き合い方については、天然石の効果が感じられないのは、石ではなく繋がりに原因があるにも書きました。迎えた後の扱い方の話です。
石そのものの個性については、天然石の効果はみんな同じ?私が石と「会話」をしてブレスレットを作る理由に書いています。
判断はご自身で選ぶことができます。
ただ、強く惹かれたときほど、一度立ち止まってみる。 それだけで、防げることはあると思っています。
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