努力しても報われない人がいる一方で、そこまで力を入れているようには見えないのに、うまく流れていく人がいます。この差は何なのか。中国には数千年前から、運命に影響する要素を順番に並べた格言があります。一命、二運、三風水、四積陰徳、五讀書。私はこれを、努力の量ではなく順番の話だと捉えています。
一命、二運、三風水という順番があります
この格言は、人の運勢に影響を与える要素を、重要な順に並べたものです。
一命(いちめい)は、生まれ持った設計図。二運(にうん)は、巡ってくる時間の流れ。三風水(さんふうすい)は、身を置く場所。四積陰徳(しせきいんとく)は、見返りを求めない行い。五讀書(ごどくしょ)は、学びです。
注目してほしいのは、学びが五番目にあることです。
多くの方は、うまくいかないときに学ぼうとします。本を読み、講座を受け、資格を取る。それ自体は良いことですが、順番としては後ろです。上の四つが整っていない状態で知識だけを増やしても、使う場所がありません。
私はこの順番を、鑑定の組み立てにも使っています。今どこにいるのか、今はどういう時期なのか、どこに身を置いているのか。この順に確かめていかないと、話が噛み合わないからです。
一命・二運・三風水が、それぞれ何を指すのか
上位三つを、もう少し詳しく見ていきます。
生まれ持った設計図を知る(一命)
一番目にあるのが命です。宿命、と言い換えてもいい。生まれた時点で決まっている、自分の性質のことです。
何が得意で、何が向いていないか。どういう場面で力が出て、どういう場面で消耗するか。これは選べません。変えることもできません。だから、まず知るところから始まります。
自分の設計図と違うことをやり続けている方は、確かにいます。本人は努力しているつもりなので、なぜうまくいかないのかが分からない。努力の方向ではなく、そもそも前提が違っている。四柱推命で命式を読むのは、この設計図を確かめるためです。
変えられないものを変えようとするのは、いちばん消耗します。変えられないなら、それを前提に組み直すほうが早い。私はそう考えています。
巡ってくる時間の流れを読む(二運)
二番目が運です。十年ごとの大運、一年ごとの流年。時間の経過とともに巡ってくるエネルギーの波のことです。
これは天候に近いものです。どれだけ性能の良い車でも、台風の日にアクセルを踏めば事故になります。逆に、追い風のときに動けば、少ない力で遠くまで行けます。
順番として運が命の次に来ているのは、性質が同じでも、時期によって出方が変わるからです。動いていい時期に止まっていると、次の波まで待つことになります。動いてはいけない時期に押し切ると、後で戻すのに時間がかかります。
私が鑑定で時期を読むのは、この波を確かめるためです。当てるためではなく、いつ動くかを判断するための材料としてお渡ししています。
身を置く場所を整える(三風水)
三番目が風水です。住まい、仕事場。自分が長い時間を過ごす場のことです。
順番としては三番目ですが、上位三つの中で唯一、自分で変えられます。命は選べない。運も待つしかない。でも環境は、今日から動かせます。
私は風水を占いというよりも、環境工学として成り立っていると思っています。どこに何を置くか、どこから気が入ってどこへ抜けるか。理屈のある話です。部屋の物の量と状態については、何をやってもうまくいかないとき、まず部屋のモノを見直す理由でも書いています。
私が風水を疑わなくなった、自宅の話
正直に書くと、私は最初から風水を信じていたわけではありません。やはり自分の経験。つまり体感があるからそれを推せるわけです。
学びの最中に、師匠に自分の家を実例として鑑定してもらったことがあります。ここをこう動かしなさい、と言われた。半信半疑のまま、その通りにやってみました。
しばらくして、仕事の縁ができました。そこからお金が入ってきた。しかもこちらから動いた結果ではなく、相手のほうから声がかかった形でした。
偶然と言われれば、偶然かもしれません。時期が重なっただけという説明もできます。ただ、風水が原因ではないとも言い切れない。私はそう思っています。
はっきりさせられないことを、はっきりさせないまま持っておく。視えたことと現実の一致を確認し続けてきた中で、これは確認できた側に入っています。だから今も使っています。
順番を飛ばしている方は、足元が定まっていません
鑑定の場で、順番を飛ばしている方に会うことがあります。
環境ばかり整えている。名前を変えようとしている。学びを重ねている。どれも悪いことではないのですが、自分がどういう設計図を持っているかを確かめないまま、その先だけを触っている状態です。
そういう方を視ると、何かの形が視えるというより、足元が定まっていない感じがあります。軸がない。ご本人は決め切ったつもりでいるのですが、一本の筋が通っていない。腰が入っていない、という言い方がいちばん近いかもしれません。
決めたという感覚と、実際に決まっている状態は、別のものです。前者は頭の中で起きていて、後者は足元に出ます。
だから私は、まず現在地から入ります。順番を戻すためです。
実は、十番目まであります
一般には五番目までが知られていますが、この格言には続きがあります。
六に名。名前のことです。七に相。人相や手相。八に敬神。神仏を敬う心。九に交貴人。良い人との出会い。十に養生。健康の管理です。
ここで見てほしいのは、名前が六番目にあることです。
改名や姓名判断は強い開運法として語られることが多いのですが、順番としては上位三つの後に来るサポート要素です。土台が整っていない状態で名前だけを変えても、変わる範囲は限られます。
同じことが、七番目以降にも言えます。人との出会いも、健康も、大切なものです。ただ、順番があります。
最後にあるのは、選ぶことと避けることです
この格言には、さらに続きがあります。
擇業與擇偶(たくぎょうよたくぐう)。仕事と伴侶を選ぶこと。趨吉及避凶(すうきちおよびひきょう)。凶を避け、吉に向かう生き方。
十の要素を並べた後に、この二つが置かれているのが面白いところです。要素を知っているだけでは意味がない。それを使って何を選び、何を避けるか。そこまで来て初めて、この体系は使えるものになります。
私が鑑定で時期や方向を読むのも、当てるためではなく、この二つのためです。選べる状態を作ること。避けられる状態を作ること。それ以上のことは、こちらの領分ではありません。
今、自分がどこから手をつけているかを見てください
うまくいっていないと感じているなら、努力が足りないのではないかもしれません。
環境から入っていないか。学びから入っていないか。名前を変えようとしていないか。どれも間違いではありませんが、順番として先に来るものがあります。
今日できることが一つあるとすれば、自分が何から手をつけているかを確かめることです。それが上位にあるなら、そのまま続けてください。下位から入っているなら、一度見直してみる価値はあります。
EASTERN DIVINATION
運の仕組みを、読み解く
動くべきか、待つべきか。迷いの正体は、自分の運の仕組みが見えていないことです。
四柱推命・紫微斗数・易を照合し、なぜ今がその時期なのかを言葉にします。
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