AI占いが広がっています。
スマホで生年月日を入力するだけで、四柱推命の鑑定結果が出てくる。無料で、手軽に。その手軽さは、テクノロジーとして素直に面白いと思います。
先に結論を書きます。
私が検証した範囲では、命式そのものが正しく出ていませんでした。ただ、これはAIの技術が低いという話ではありません。仕組みの問題です。
今回は、実際に検証して分かったことを書きます。
検証した結果、命式が違っていた
ChatGPTとGeminiに、自分の生年月日と出生時間を入力して、四柱推命の命式を出力させてみました。一部は有料版です。
命式とは、鑑定の基礎になるデータです。ここから性格の傾向も、運の流れも読んでいきます。これが違っていれば、その先はすべて意味をなしません。
結果、出力された命式は、正しいものとまったく異なっていました。
一部が合っていることはあったかもしれません。ただ、私が検証した時点では、鑑定に使える精度ではありませんでした。
この記事を最初に書いた時点でも同じでしたし、その後に確認したときも変わっていません。
なぜ違うのか。生成AIは算出していない
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
生成AIは、命式を計算しているわけではありません。それらしい情報を出しているだけです。
四柱推命の命式を正確に出すには、節入りの日時計算や、出生地の経度による時差修正といった処理が必要です。これは決まった手順で計算するものであって、文章を生成する処理とは性質が違います。
AIは検索して情報を取ってくることもできます。ただ、暦の定義そのものが流派や資料によって異なるため、参照先の情報がどこまで正確かに左右されます。
つまり、算出ではなく参照と生成で答えを作っている。だから、それらしく見えるのに中身が違うということが起こります。
AIの技術が低いわけではありません
ここで誤解してほしくないです。
私はAIが使えないと言っているのではありません。問題は、汎用のAIに命式の算出をさせるという使い方の方にあります。
専用のプロンプトを組み、正確な情報を渡せば、話は別だと思っています。
さらに言えば、天文暦のデータベースと接続する仕組みを作れば、精度は上がるはずです。節入りも時差修正も、計算式が決まっているものです。データベースを参照して算出する形にすれば、正確に出せない理由はありません。
つまり、AIの能力の問題ではなく、前提となるデータの構造と、システムの組み方の問題です。
今の一般的なAI占いは、そこまで作られていない可能性が高い。専用に組めば、機能すると私は思っています。
正しい命式を渡しても、解釈は浅かった
次に、私が手動で作成した正確な命式をAIに読み込ませて、改めて解釈させてみました。
今度は、それらしい解説が出てきました。ただ、内容は教科書的な定義の羅列です。可もなく不可もなく、というレベルでした。
実際の鑑定では、同じ命式でも、過去の状況、今の状況、何で止まっているかによって、読み解く内容がまったく変わります。
同じ命式を持つ人が100人いたとして、鑑定内容は100通りです。
AIは膨大なデータを処理できますが、データ化されていないその人の今は読めません。それらしい言葉が並んでいるほど、当たっているように見えるという落とし穴があります。
それっぽい言葉が並ぶことと、その人に必要なことが伝わることは、別のものです。
私が気にしているのは、タイミングのズレです
AI占いを人生の判断に使うことを勧めない理由は、タイミングの問題です。
四柱推命で読み解くと、動くべき時期と、控えた方がいい時期が出てきます。命式の計算が違っていれば、この判断もズレます。
慎重にした方がいい時期に、今が最大のチャンスですと出てきたとき。それに従って転職や起業のような大きな判断をしたとして、その結果の責任をAIが取ることはありません。
SNSでは、AIで出た鑑定をビジネスに活用しているという発信を見かけることがあります。もっともらしい言葉が並ぶので、精度が高いように見えてしまう。
ただ、土台の命式から違っている可能性があるなら、それは根拠のない判断をしていることになります。
手軽さと引き換えに何を受け入れているか。使う前に知っておいてほしいところです。
AIとの付き合い方
AI占いを否定しているわけではありません。使い方次第です。
ちょっと確認する程度、自分を見つめ直すきっかけにする程度。そういう軽い使い方には向いていると思います。面白い、なるほど、で終われる範囲なら問題ありません。
なぜAIはこう言ったのだろうと、自分の状態を振り返るきっかけにするのも有効です。ただ、それが全てだとは思わないでいただきたい。
問題は、人生の方向性や大きな決断の根拠にすることです。その使い方は、リスクに見合いません。
占いは統計ではないと私は考えています
よく占いは統計だという方がいますが、私はそう思っていません。
AIが処理するのはデータです。膨大な情報を読み込み、パターンとして出力する。それはAIの得意なことであって、鑑定とは別の作業です。
東洋占術が読むのは、命式という設計図を通じたロジックです。データの照合ではなく、その人の状態と時間の流れが交差する点を読む作業だと考えています。
ただ、ロジックだけで全部読めるとも思っていません。
同じ命式を持つ人が100人いても、今置かれている状況は100通りです。命式は骨格を示しますが、今どこで止まっているか、何が実際に起きているかは、ロジックの外にある情報です。
だから私の鑑定では、過去に実際に起きた出来事をご本人から聞かせてもらいます。命式と照合することで、なぜそれが起きたのかの仕組みが見えてくる。その照合を通じて初めて、これからの流れを読むことができます。
占いを統計として扱わない理由については、占いは統計ではない|直感とインスピレーションはどう違うのかにも書きました。
判断は、ご自身のものです
最後に整理します。
私が検証した範囲では、汎用のAIが出す四柱推命の命式は、正確ではありませんでした。ただ、それはAIの限界というより、仕組みの問題です。専用に組めば、精度は上がると考えています。
そして命式が正確に出たとしても、解釈には別の要素が要ります。今その人がどこにいるかは、データの外にあるからです。
軽く使う分には面白いものだと思います。ただ、大きな判断の根拠にするかどうかは、慎重に決めていただきたいと思っています。
EASTERN DIVINATION
運の仕組みを、読み解く
動くべきか、待つべきか。迷いの正体は、自分の運の仕組みが見えていないことです。
四柱推命・紫微斗数・易を照合し、なぜ今がその時期なのかを言葉にします。
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