選ぶ道が、なぜか全部裏目に出る。頑張っているのに、泥沼にはまっていくような感覚がある。
そういう時期があります。
運が悪いから仕方ない、と片づけたくなりますが、私は少し違う見方をしています。起きているのは、判断のズレです。
そして厄介なのは、ズレている最中には気づけないことです。
その時の自分は、正しいと思っています
先に、いちばん言いたいことを書きます。
判断がズレているとき、本人はやろうとしていることが問題だと思っていません。むしろ逆で、自分は正しいと思っています。
これが、気づけない理由のすべてです。
私自身、後から振り返って、あのときの自分はおかしかったと分かることがあります。冷静になって、少し離れたところから見たときです。
ただ、当時の自分は正しいつもりでした。最善の判断をしていると思っていた。間違えているかもしれないという前提が、そもそもなかったんです。
だから、何かおかしいと感じたら気づけるという話にはなりません。おかしいと感じていないのだから、確認しようがない。
同じベクトルで見ても、見えないからです
なぜ、自分が正しいと思い込んでしまうのか。
判断がズレているとき、そのズレを見る目も一緒にズレているからだと私は考えています。
自分の考えのベクトルで自分を見ようとしても、同じ方向を向いているので、外れているかどうかが分かりません。ものさしのほうが曲がっているのに、そのものさしで測っている状態です。だから、測った結果はいつも正しく出ます。
後から気づけるのは、時間が経って自分のベクトルが変わったからです。別の視点から見ているので、当時とのズレが見える。
つまり、視点が変わらない限り気づけない。これは能力や賢さの問題ではなく、仕組みの問題です。
自分が正しいという確信が、入口を閉じます
ここから、二つのことが起きます。
一つは、他人の意見が入らなくなることです。
自分が正しいと思っているのだから、違う意見は間違っているように見えます。助言を受けても、的外れだと感じる。場合によっては、攻撃されていると受け取る。
もう一つは、自分で問い直さなくなることです。
正しいと思っているものを、わざわざ疑う理由がありません。だから確認の機会が来ない。
外からも入らず、内からも疑わない。 この状態になると、修正するきっかけがなくなります。ズレたまま進み続けることになる。
自分の考えに疑いを持たない方は、芯があるとも言えます。それ自体が悪いわけではありません。ただ、方向を誤ったときの影響は大きくなります。 進む力が強いぶん、遠くまで行ってしまうからです。
判断がズレている方に共通しているのは、この状態だと思っています。合わない場所に留まり続ける、助言を遠ざける、明らかにマイナスな選択を最善だと考える。形は違っても、外からの情報が入らなくなっている点は同じです。
他人の目のほうが、正確なことがあります
だから、他者の視点が効きます。
自分では見えていないものが、他の人からは見えています。その人は、こちらとは違うベクトルで見ているからです。
自分の言葉より、他者の目に映っている自分のほうが正しい可能性がある。 私はそう考えています。
これは、他人の言うことを全部受け入れるという意味ではありません。ただ、自分の判断と他者の見え方が食い違ったとき、自分のほうが正しいと即断しないほうがいい、ということです。
食い違いが起きたときは、材料が増えたと考える。少なくとも、自分には見えていなかった角度が一つ提示されている。
気づくために必要なのは、謙虚さです
では、どうすれば自分で気づけるのか。
私が思うのは、謙虚になることです。
抽象的に聞こえるかもしれませんが、具体的には一つだけです。本当にそうか、と自分に問い直すこと。
自分が正しいと思った判断に対して、もう一度、本当にそうかと聞いてみる。反芻する。すぐに答えを出さない。
正しいと思っているものを疑うので、気持ちの良い作業ではありません。ただ、疑いを挟んだ分だけ、同じベクトルから少し外れます。そのわずかなズレが、視点の変化です。
逆に、問い直さないと決めてしまうと、修正の入口が閉じます。
判断がズレているときにできること
もし今、何をやっても裏目に出ていると感じているなら、大きな決断を先に延ばすという選択があります。
ズレている状態で下した判断は、ズレた方向に進みます。急ぎでないなら、少し待つ。
そして、自分とは違う意見を一つ聞いてみる。同意しなくて構いません。聞くだけでいい。 自分に見えていない角度があると分かるだけで、判断の質が変わります。
占いを使うかどうかは、その後の話です。時期を読むことは、自分の現在地を知る材料の一つになりますが、それがないと何もできないというものではありません。この距離の取り方については、占いに頼る前に、まず自分で考える|依存させない鑑定師の線引きに書きました。
本当にそうか、と一度だけ
運が悪いと感じているとき、起きているのは運の問題ではないかもしれません。判断のほうがズレていて、その状態で選び続けている。
そして、ズレている最中の自分は、正しいと思っています。だから気づけません。それは構造上そうなっています。
気づくきっかけは、正しいと思っているものを疑うところにしかありません。
今日できることは一つだけです。自分がいま正しいと思っている判断に対して、本当にそうか、と一度だけ問い直してみてください。
答えが変わらないなら、それでいい。変わるようなら、そこに何かあります。
動く時期と蓄える時期の判断については、今は動く時か、蓄える時か|易経の構造で自分の立ち位置を読むにも書いています。
EASTERN DIVINATION
運の仕組みを、読み解く
動くべきか、待つべきか。迷いの正体は、自分の運の仕組みが見えていないことです。
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