悪い出来事だと思っていた|視点は変えるのではなく、増やすもの

セッションで、こんな場面がありました。

長年抱えてきたある出来事について話してくださった方がいます。その方にとってそれは、自分の人生を狂わせた悪い出来事でした。何年も、そのイメージのまま固定されていました。

霊視で視えたものをお伝えしながら、別の角度からその出来事を一緒に見ていきました。しばらく考えたあと、その方はこう言いました。確かに、それがあったからこそ感謝できる部分もありますね、と。

出来事は何も変わっていません。事実はそのままです。変わったのは、その出来事を見る視点だけでした。この記事では、その視点が動くときに何が起きているのかを書きます。

目次

人は出来事ではなく、意味づけに反応しています

人は出来事そのものに反応しているのではなく、その出来事に対して自分が持っている意味づけに反応しています。

あのとき、あんなことが起きた。この事実は変えられません。でも、あの出来事はこういう意味だった、という解釈のほうは、視点が変わると変わります。

問題は、この意味づけが一度固定されると、なかなか動かないことです。何年も、ときには何十年も、同じ解釈のまま出来事を抱え続ける。あれが悪かった、あのせいで自分はこうなった、という物語が心の中で繰り返し再生されます。

その物語が固定されている限り、外側を変えようとしても動けない感覚が続きます。新しい環境に移っても、新しい人間関係を作っても、同じパターンが繰り返される。そういう経験をした方は少なくないと思います。

心のレンズが固まるのには、理由があります

視点が固定されるのには理由があります。責める話ではありません。

人の心は、一度これは悪いことだと判断すると、その判断を守ろうとします。判断を変えることは、自分がずっと間違っていたという事実を受け入れることになるからです。それは負荷の大きい作業です。

だから無意識のうちに、自分の判断を支持する情報だけを集めるようになります。やっぱりあの出来事は悪かった、という証拠を日常の中から探し続ける。これが続くほど、レンズの固定は深くなります。

また、感情が強く絡んでいる出来事ほど、この固定は強くなります。悲しみ、怒り、悔しさ。強い感情は記憶と結びついて、その出来事を触れてはいけないものとして保護します。感情に蓋をしている状態がどう視えるかは感情に蓋をすると氣が滞る|霊視で視える黒い岩のような層に書きました。

結果として、その出来事を違う角度から見ようとすること自体ができなくなっていきます。

視点を整えるとは、否定ではなく追加です

ここは、いちばん誤解されやすいところだと思います。

視点を変えるとは、悪い出来事だと思っていた自分が間違っていた、ということではありません。

悪いと感じたことは本当のことです。つらかった事実は変わりません。それを実は良いことだったと無理に塗り替えようとするのは、視点を変えることではなく、感情を抑圧することです。

私がセッションでやっているのは、別の視点を追加することです。悪い出来事だったという視点は、そのまま置いておく。その上で、でもそれがあったから今のこれがある、という視点を横に並べる。

二つの視点が並んだとき、出来事の意味が広がります。悪いという一点だけで固定されていたものが、複数の意味を持つようになる。その瞬間、長年動かなかったものが静かに動き始めます。

なお、すべての出来事がこの形で動くわけではありません。時間が必要なものもありますし、視点の話をする前に、専門的な支援を受けることが先になる出来事もあります。感謝に行き着かなければならない、ということでもありません。並べるところまでで十分です。

外側を変えても動けないのは、意志の問題ではありません

環境を変えれば変われるはずだと思って行動する方は多いです。でも、同じパターンが繰り返されると感じる方も、同じくらい多い。

これは意志の問題ではありません。視点が変わっていないまま、外側だけを変えようとしているからです。

心のレンズが固定されたまま新しい場所へ行っても、そのレンズで新しい場所を見ます。だから見え方は変わりません。ここでも同じだ、という感覚が繰り返されます。

逆に、視点が整うと、同じ場所にいながら景色が変わります。何も動かしていないのに、日常が違って見え始める。そこから初めて、外側への行動が意味を持ちます。

自分では気づけないズレについては運が悪いのではなく、判断がズレている|自分では気づけない理由に、良いものが届かなくなる状態についてはなぜ良いものが届かないのか|霊視から状態の構造を読むに書きました。

霊視が視点を動かすことがあるのはなぜか

なぜ霊視が視点の変化につながるのか、という話をします。

霊視では、ご本人が言語化していない感情や、気づいていない構造が視えることがあります。本人が悪い出来事としか見ていないものが、別の文脈の中にあることが視える。

その視えたものをお伝えするとき、私はその方の物語を否定しません。ただ、別の角度からの景色を言葉にします。

こういう見え方もできるとしたら、どうですか。

この一言が、長年固定されていたレンズを動かすことがあります。自分では気づけなかった視点を外から照らすことで、確かにそうかもしれない、という納得が生まれる。

納得は、無理に変えようとしても生まれません。視点が自然に広がったときに、初めて腑に落ちる感覚として現れます。それが起きたとき、行動は自然についてきます。

私が視てきた中では、動くタイミングは人によってまったく違います。その場で動く方もいれば、何ヶ月も経ってから連絡をくださる方もいます。

景色は、視点の数だけあります

同じ出来事に複数の意味を持たせること。これは、楽観的に考えようという話ではありません。

視点を増やすとは、自分に見えている景色が唯一の正解ではないと知ることです。悪いという視点も本当。感謝できるという視点も本当。どちらも同じ出来事から生まれる、本物の景色です。

視点が一つしかないとき、人はその景色の中に閉じ込められます。視点が増えると、景色の中を動けるようになる。同じ場所にいながら、選べる景色が増えていきます。

これが、心のレンズを整えるということの本来の意味だと私は考えています。

新しい場所へ行かなくても、今の日常は変わります。変わるのは外側ではなく、見え方です。見え方が変わると感じ方が変わり、感じ方が変わると行動が変わる。運の流れは、そういう順番で動いていきます。

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雨龍 光のアバター 雨龍 光 霊視鑑定師

霊視・東洋占術 鑑定師|鑑定歴8年・累計400件以上。霊視を軸に、東洋占術とデザインの視点を重ね、人生と日々の営みを本質から整えるサポートを行っています。未来を当てることが目的ではありません。今、どこで流れが滞り、どこでズレが生じているのか。その現在地を正確に捉え、次の判断ができる状態へ整えます。

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