私は占術を使います。四柱推命も、易も、方位も。
ただ、やっていることの本質は、特定の体系の技法をなぞることではありません。
技法は使う。でも、そこに自分の判断が入っている。だとすると、これは占いなのだろうか。 そう考えることがあります。
別々の体系が、同じ場所を指すことがあります
先に、体系のほうの話を書きます。
ある日、まったく別の体系で同じ人を読んだとき、同じ答えが出ました。
数から読んでも、色から読んでも、陰陽の構成から読んでも、指し示す先が一致した。
そのとき湧いたのは、当たったという感覚ではありません。これは実在するんだ、という確信でした。
具体的な例を書きます。
なぜか人間関係で、いつも同じ局面に来ると動けなくなる。そういう悩みを持つ方がいました。
まず霊視でエネルギーの状態を確認しました。次に数の構造から読むと、同じ「境界線の手前で止まる」パターンが出てきた。さらに陰陽の配置を見ると、陰が過剰に集まって動けなくなる仕組みが、そこにもありました。
体系は違う。でも浮かび上がる構造は同じ
異なる体系が、同じ事象について同じ構造を示す。そのとき、その構造は実在すると私は考えています。
ただ、体系が答えを出しているわけではありません
ここからが本題です。
複数の体系が同じ答えを出す、と書くと、体系が勝手に正解を出しているように聞こえます。 実際には違います。
私が読むとき、そこには三つの判断が入っています。
一つめは、食い違ったときにどちらを採るか。
いつも一致するわけではありません。体系によって別のことを示す場合がある。そのとき、どちらが今のこの人に当てはまるかを決めるのは、体系ではなく私です。
二つめは、出た答えをどう解釈するか。
体系が示すのは、あくまで一般化された象意です。それをその人の状況に置き直したとき、何を意味するのか。同じ卦が出ても、置かれている状況が違えば読み方は変わります。
三つめは、どの言葉で伝えるか。
体系の言葉をそのまま渡しても、届かないことが多い。専門用語で説明されて納得できる人は少ないからです。その人に入る言葉に変換する。 ここも判断です。
技法をなぞるだけなら、私でなくてもいい
この三つを外すと、残るのは技法の適用だけです。
命式を出して、象意を読み上げる。卦を立てて、書かれていることを伝える。それだけなら、同じ知識を持つ人が同じことをすれば、同じ結果になります。
でも実際の鑑定は、そうなっていません。同じ命式でも、鑑定師によって出てくる言葉が違う。それは知識の差だけではなく、判断が入っているからだと思っています。
だから、私がやっているのは技法をなぞることではないと書きました。技法は材料で、そこから何を読み、何を伝えるかは別の作業です。
では、これは占いなのか
そう考えると、呼び名に迷います。
占術は使っているので、占いではあります。ただ、占いという言葉が一般に指しているのは、技法の適用のほうだと思うんです。何かを立てて、出たものを伝える。
私がやっているのは、そこに自分の判断を重ねる作業です。その部分は技法の外にあります。
占いであって、占いではない。矛盾した言い方ですが、今のところこれがいちばん近い。
なぜ一つの体系に留まらないのか
よく聞かれます。なぜ一つの占術を極めないのか、と。
もっともな問いだと思います。一つの体系を深く掘り下げることには価値があります。四柱推命だけで一生かけても掘り尽くせないと言う鑑定師もいる。それは本当のことだと思います。
ただ、私には手放せない問いがありました。
この体系は、なぜこの象徴を使うのか。
タロットの大アルカナが、なぜあの順番なのか。十干が、なぜそれぞれの性質を持つとされるのか。易の六十四卦が、なぜあの構造なのか。
体系の中にいると、この問いは野暮になります。体系はすでに完成しているので、その中で技術を磨くのが正道とされる。でも私は、その問いを脇に置けませんでした。
結果として、複数の体系を並べて比べる方向に向かいました。そこで気づいたことがあります。体系が違うのに、根底にある原理は重なっている。
陰陽は、四柱推命にも易にも風水にも流れています。数の奇偶と陰陽の対応も、複数の体系で独立して現れる。
一つの体系に留まらないのは、体系が嫌いだからではありません。奥にあるものを知りたいからです。
東洋占術と西洋占術の違いについては、東洋占術と西洋占術、どっちが当たるのかに書いています。
当てるためではなく、確認するために使っています
だから私は、占いを当てるものとして使っていません。
一つの体系の答えを出すのではなく、複数の象徴を通じて、その人に通底している構造を確認していく。
あなたはこういう人です、と定義するためのものではありません。本来持っている構造を、自分自身が言葉として再認識するためのものです。
当たった、外れたではなく、腑に落ちた、落ちなかった。その感覚で受けてほしいと思っているのも、そこから来ています。
腑に落ちるというのは、情報として納得することとは違います。身体の奥で、そうだったのか、と何かが解けること。
そして腑に落ちると、動けるようになります。頭で分かっても動けない方は多い。でも自分の構造が見えたとき、動けなかった理由も見えて、はじめて足が動き出す。
先ほどの方にも、これはあなたのせいではなく、あなたの構造がそうなっているからです、と伝えました。
その方は、やっぱりそうですよね、と言われました。そう思っていたので、言っていることが分かります、と。
当てたわけではありません。仕組みを確認しただけです。 ただ、それがいちばん深いところに届きました。
構造は、誰にでもあります
こういう話をすると、自分にそんな構造があるのか、と思う方がいます。
あります。
むしろ、自分には軸がない、何者か分からないと感じている方ほど、構造が見えていないだけで、構造そのものはある。
見えないから、他人の基準に合わせるしかなくなる。そのまま選択を重ねると、どこかで、なぜ自分はこうなったのか、という問いが浮かびます。
その問いには、答えが出せると思っています。
占いとの距離の取り方については、占いに頼る前に、まず自分で考える|依存させない鑑定師の線引きにも書きました。
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