AI占いが広がっています。
スマホで生年月日を入力するだけで、四柱推命の鑑定結果が出てくる。無料で、手軽に。その手軽さはテクノロジーとして素直に面白いと思います。
ただ、私は四柱推命を8年以上扱ってきた立場からの率直な意見としては、今のAI占いを、人生の判断根拠にするのは危険と感じています。
検証した結果:命式が間違っていた
実際にいくつかのAIサービスに自分の生年月日と出生時間を入力して、四柱推命の命式を出力させてみました。
命式とは、その人の運命の設計図にあたる基礎データです。鑑定はすべてここから始まります。これが間違っていれば、そこから導き出される性格分析も運気の流れも、すべて意味をなしません。
結果、出力された命式が正しいものと全く異なっていました。
四柱推命の命式を正確に算出するには、節入り(せついり)の日時計算や、出生地の経度による時差修正など、複雑な専門的処理が必要です。一見するとシンプルに見えますが、この計算は鑑定でも特に慎重に扱う部分です。現時点のAIはこの処理を正確に行えていないケースがあります。
医療で言えば、カルテの血液型が間違っているまま治療を進めているのと同じ状態です。
正しいデータを入れても「浅い」理由
次に、私が手動で作成した正確な命式をAIに読み込ませて、改めて解釈させてみました。
今度はそれらしい解説が出てきましたが、内容は教科書的な定義の羅列でした。「可もなく不可もなく」というレベルです。
実際の鑑定では、同じ命式でも「今の状況」「今のエネルギー状態」「何で止まっているか」によって、読み解く内容は全く変わります。同じ命式を持つ人が100人いたとして、100人への鑑定内容は100通りです。
AIは膨大なデータを処理できますが、データ化できない「その人の今」は読めません。表面上それらしい言葉が並んでいるほど、「当たっているように見える」という落とし穴にはまりやすくなります。
「それっぽい言葉が並ぶ」と「その人に必要なことが伝わる」は、根本的に違います。
最も怖いのは「タイミングのズレ」
私がAI占いを人生の判断に使うことを薦めない一番の理由は、タイミングの問題です。
四柱推命で読み解くと「動くべき時期」と「自制すべき時期」が明確に存在します。命式の計算が間違っていれば、このタイミングの判断もズレます。
慎重にすべき時期に「今が最大のチャンスです、積極的に動きましょう」と出てきたとき、それに従って転職や起業などの人生における大きな判断をしたとしたら その結果の責任をAIが取ることはありません。
SNSでは「AIで出た鑑定をビジネスに活用している」という経営者の方の発信を見かけることがあります。もっともらしい言葉が並ぶので、精度が高いように見えてしまう。でも土台の命式から間違っている可能性がある以上、それは根拠のない判断をしているリスクがあります。
手軽さと引き換えに何を受け入れているか、使う前に知っておいてほしいことです。
AIとの正しい付き合い方
AI占いを否定しているわけではありません。使い方次第です。
ちょっと確認する程度の使い方、自分を見つめ直すきっかけにする使い方。そういった軽い使い方には向いています。「面白い、なるほど」で終われる範囲で使う分には問題ない。
「なぜAIはこう言ったのかな」と自分の状態を振り返るきっかけにするのも有効です。ただしそれが全てだとは思わないでください。
問題は、人生の方向性、仕事の判断、大きな決断にAIの鑑定結果を根拠にすることです。その使い方は、リスクに見合わない。重要な判断には、その人の状態を直接読める鑑定が必要です。
占いは統計ではない
よく「占いは統計だ」という人がいますが、私はそう思っていません。
AIが処理するのはデータです。膨大な情報を読み込み、パターンとして出力する。それはAIの得意なことであって、鑑定とは別の作業です。
東洋占術が読むのは、命式という設計図を通じた「ロジック」です。データの照合ではなく、あなたの状態と時間の流れの交差点を読む作業です。
ただ、ロジックだけで全部読めるとも思っていません。
同じ命式を持つ人が100人いても、今置かれている状況は100人とも違います。命式は骨格を示しますが、今のあなたがどこで止まっているか、何が実際に起きているかは、ロジックの外にある情報です。
だから私の鑑定では、過去に実際に起きた出来事をご本人から聞かせてもらいます。命式と照合することで「なぜそれが起きたのか」の構造が見えてくる。その照合作業を通じて初めて、これからの流れを精度高く読むことができます。
あなたの今を、データではなくロジックと対話で読む。その上で進む方向とタイミングを整理する、それが私の鑑定です。

