水天需(すいてんじゅ)|時を待つ力、内に氣を蓄えるとき
「このまま進んでいいのだろうか」
「どう動けばいいかわからない」
そんな思いを抱えているとき、易の卦があなたの道筋を示してくれます。
この記事では、水天需の意味について詳しくお伝えします。
現実の人生にどう活かせばよいかを、ストーリーと行動指針を交えてお伝えします。INDEX
水天需とは|天の下に水がある状態
水天需(すいてんじゅ)は、易経の第五卦。
「需」とは、待つ・蓄えるという意味を持ちます。
上に「水(☵)」、下に「天(☰)」があり、
天の上に水が溜まっている。
水は下に降るのが自然の流れ。
つまり、動きたいが、まだ流れ出す時ではない状態を示します。
この卦が示すのは、「待つこと」です。
なぜ「需」が生まれたのか─蒙のあとの流れ
蒙(もう)で学び始めた者は、まだ準備が整っていません。
知識も、経験も、氣力も、まだ未成熟。
そこで、次に現れるのが「需」。
焦って前に出るのではなく、まずは内に蓄えること。
学び、整え、心の準備を進める「待機」の時間です。
これは単なる停滞ではありません。
水が深くに溜まるように、力が養われる貴重なとき。
天(意志)と水(感情・状況)がかみ合うとき、
初めて「流れ出す力」が整います。
水天需が現れるとき
水天需は、私の実感では「焦りを手放すための合図」です。
行動したい気持ちはあっても、なぜか物事が動かない。
そんなとき、この卦が出ることがよくあります。
一見、停滞に見える時期。
でもそれは、内側を整える準備期間のとき。
たとえば、雨雲が空に厚く広がるように、
水は上から下へと満ち、やがて地を潤します。
今は「流れ出す前の静けさ」。
そのことに気づけるかどうかで、次の展開が変わっていくのです。
水天需から学べること
- 焦らず待つことの尊さ
- 「今でない」という直感を信じる力
- 状況を整えるための“静”の時間
- 内面の充実が運を引き寄せること
行動指針|水天需の氣を活かすには
- 焦って決断せず、深呼吸して状況を俯瞰する
- 情報収集や準備に集中する
- 今の“止まり”を否定せず、肯定して受け入れる
- 信頼できる人とだけ関わるようにする
あなたの中の「氣」を蓄える
運の流れには「待つとき」と「動くとき」があります。
水天需は、待つことこそが前進であると教えてくれます。
立ち止まっているようで、じつは内面では多くのことが進んでいる。
自分の感情に静かに耳を澄ませながら、
今は、内に氣を蓄えるときです。
それができたとき、自然と道がひらけていきます。
→ 【次の卦】天水訟(てんすいしょう)|意見の違いが生まれるとき、何を守るか
卦の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
卦番号 | 第五卦 |
卵名 | 水天需(すいてんじゅ) |
上卦/下卦 | 水 ☵ / 天 ☰ |
五行 | 水 |
象意 | 蓄える・待つ・準備・静の力 |