水雷屯(ちゅん)|始まりの混沌を越えて、芽を出すとき
「このまま進んでいいのだろうか」
「どう動けばいいかわからない」
そんな思いを抱えているとき、易の卦があなたの道筋を示してくれます。
この記事では、屯の意味について詳しくお伝えします。
現実の人生にどう活かせばよいかを、ストーリーと行動指針を交えてお伝えします。
屯とは|生命が芽を出す、混沌と挑戦のとき
屯(ちゅん)は、易経の第三卦。
「はじまり」のエネルギーが、ようやく動き出すタイミングです。
天地がそろい、命が宿る舞台が整ったとき、
その命はまだ、土の中でうごめいている状態。それが「屯」です。
下卦が「坎(水)」、上卦が「震(雷)」という組み合わせ。
水の中に芽が隠れていて、それを雷の衝撃が目覚めさせようとしています。
なぜ「坤」の次に「屯」が来るのか──そして「蒙」へ
天の意志である「乾」、それを受けとめる「坤」。
この二つが向かい合ったとき、初めて「動き」が生まれます。
しかし、動き出しはいつだって混乱を伴うもの。
方向性も定まらず、試行錯誤の連続。上手くいかないことの方が多い時期です。
それでも、芽は土を押しのけて、光のある方へ進もうとする。
だからこそ、次の卦「蒙(もう)」では、「学ぶこと」が重要になってくるのです。
屯とは、「混沌の中にある希望」。
一歩を踏み出すことの尊さを、私たちに教えてくれます。
屯が現れるとき
私はこの卦を、「始まりの困難」や「産む苦しみ」「準備と挑戦のタイミング」と受け取ります。
たとえば新しい仕事、人間関係、プロジェクト。
動き出すけれど、なかなかスムーズにいかない。足を取られたり、不安になったり。
でも、それが「正常」なのだと教えてくれるのが、この屯という卦。
最初からうまくいかなくて当たり前。
むしろ、そのもがきの中にこそ、可能性の種が眠っているのです。
屯から学べること
- いま目の前にある混乱は、成長の前触れ
- 土の中でもがいている時間は、無駄ではない
- 外に答えを求めず、まず自分の中に芯をつくる
- 「はじめて」にこそ、学びと成長がある
行動指針|屯の氣を活かすには
- 迷いや混乱を否定せず、「そういう時期」と受け入れる
- 一つずつ、自分にできることを整えていく
- 信頼できる人に現状を話し、心を整理する
- 見えない未来より、今この瞬間に意識を向ける
あなたの中の「芽」を信じる
動けない、迷う、苦しい。それは、あなたの中で何かが生まれようとしている証。
「もうダメだ」と感じるときこそ、可能性が最も近くにあるときです。
焦らず、自分のリズムで、土を押しのけていけばいい。
きっとその先に、小さな光が見えてきます。
卦の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
卦番号 | 第三卦 |
卦名 | 屯(ちゅん) |
上卦/下卦 | 坎 ☵ / 震 ☳ |
五行 | 水(坎)+木(震) |
象意 | 始まり・困難・準備・混沌・成長の種 |